Blog ブログ

Blog

HOME//ブログ//災害と税金。 ~災害により被害を受けたとき~

ブログ

災害と税金。 ~災害により被害を受けたとき~

雨上がりの秋のイメージ

この度の台風19号により、お亡くなりになった方々のご冥福を心からお祈りするとともに、
被害に遭われたすべての方々にお見舞いを申し上げます。

国税庁より、次のような緊急のお知らせが発表されています。

<災害により被害を受けたとき>


1.災害により申告・納税等をその期限までにできないとき(交通途絶等)は、所轄税務署長に申請し、その承認を受けることにより、
  その理由のやんだ日から2か月以内の範囲でその期限が延長されます。
  例えば、毎月10日が納付期限の源泉所得税及び復興特別所得税の納付について、災害により被害を受けたために期限までの納付ができない場合には、
  期限の延長(災害による申告、納付等の期限延長申請)を受ける手続があります。この手続は、期限が経過した後でも行うことができますので、
  被災の状況が落ち着いてから、最寄りの税務署にご相談ください。

2.災害により、財産に相当な損失を受けた場合は、所轄税務署長に申請し、その承認を受けることにより、納税の猶予を受けることができます。

3.災害によって、住宅や家財などに損害を受けたときは、確定申告で 所得税法に定める雑損控除の方法
  (この雑損控除の損失額には豪雪による家屋の倒壊を防止するための屋根の雪下ろし費用も含まれます。)、
  災害減免法に定める税金の軽減免除による方法のどちらか有利な方法を選ぶことによって、所得税の全部又は一部を軽減することができます。
  また、給与等、公的年金等、報酬等から徴収される(又は徴収された)源泉所得税の徴収猶予や還付を受けることができます。

4.災害により被害を受けた事業者が、当該被害を受けたことにより、災害等の生じた日の属する課税期間等について、
  簡易課税制度の適用を受けることが必要となった場合、又は適用を受けることの必要がなくなった場合には、所轄税務署長に申請し
  その承認を受けることにより、災害等の生じた日の属する課税期間から簡易課税制度の適用を受けること、又は適用をやめることができます
  (災害によって事務処理能力が低下したため、一般課税から簡易課税への変更が必要になった場合や、棚卸資産その他業務用の資産に相当な損害を受け、
  緊急な設備投資を行うため、簡易課税から一般課税への変更が必要になった場合などに適用されます)。

国税庁HPより》



要点をまとめると、次のようになります。

1.     申告・納税期限の延長 (2ヶ月以内)
2.   納税の猶予
3.   住宅や家財などに損害を受けた場合、所得税の全部または一部を軽減できる
4.   今期の消費税に対して簡易課税制度を適用/不適用の承認を受けられる(事業者)

この中で、少しわかりにくい「3.住宅や家財などに損害を受けた場合、所得税の全部または一部を軽減できる」について、ご説明させていただきます。


◆ 税金の負担を軽減できる「災害減免法」と「雑損控除」


今回のような大型の台風だけでなく、豪雨、地震、火山噴火、豪雪、火災など、近年日本各地で災害が多発し、
「数十年に一度の…」という言葉を毎年当たり前のようにメディアで聞いているように思います。
以前は特定の地域で起こりやすかった災害も今では日本中どこにでも起こりうる可能性があります。
災害が多発しているなか、防災に対する意識は高まっており、いざというときの避難のために準備をされている方も多いのではないでしょうか。
もし実際に災害の被害を受けてしまうことになった場合、準備していた避難用品を持って、命を守ることは何とかできたとしても、住宅や家財までは守ることができないかもしれません。
その被害を受けた住宅、家財について、税金の負担を軽減できる措置が、「災害減免法」と「雑損控除」です。

補助金や保険金に比べ、金額的には大きなものではないですが、ご紹介いたします。


◆    所得税の計算方法


まず前提となる所得税の計算方法と対象となる災害について簡単にご説明します。
【所得税の計算方法】

{所得金額-所得控除(配偶者控除など)}×税率=所得税
        ↑                ↑
        「雑損控除」          「災害減免法」


これからご紹介する「災害減免法」は所得税が直接減免されるもの、「雑損控除」は所得税を計算する前のもとの金額を減少させて、所得税を減額させるものです。

【対象となる災害】
1.震災、風水害、冷害、雪害、落雷など自然現象の異変による災害
2.火災、火薬類の爆発など人為による異常な災害
3.害虫などの生物による異常な災害




◆ 災害減免法


災害によって損害を受けた場合に所得税を減免する措置です。
下記の条件をすべて満たした場合、その年の所得税が次のように軽減又は免除されます。

災害減免法_表《国税庁「災害等にあったとき」より》


【条件】
1.災害によって受けた住宅や家財の損害金額(保険金などで補填される金額を除く)が時価の2分の1以上であること
2.災害にあった年の所得金額の合計額が1,000万円以下であること(給与収入のみ方であれば年収1,220万円以下(令和元年分))




◆ 雑損控除


災害のほか盗難、横領によって損害を受けた場合に所得税を軽減する措置です。
【控除金額】
次の二つのうちいずれか多い方の金額
1.損害金額(保険金などで補填される金額を除く)-総所得金額×10%

2.損害金額のうち災害関連支出の金額-5万円

(災害関連支出は被害を受けた住宅などの取壊し費用など、災害によりやむを得ず支出した金額)
なお所得金額から控除しきれない金額がある場合には、翌年以後3年間その金額を繰り越して所得税の計算をすることができます。

この措置はどちらか一方しか適用できないため、有利になる方を選択することになりますが、どちらを選択されても確定申告を行う必要があります。
なお雑損控除は確定申告を通じて、住民税も軽減されますが、災害減免法については、別途市区町村で手続きを行わないと住民税が軽減されませんのでご注意ください。

国税庁で紹介されている<令和元年分による比較例>では所得600万円、夫婦子供2人の場合(その他の条件は省略)で、もともとの所得税が28万200円とした場合の次のようになると例示されています。

国税庁の比較例 表
損害金額が100万円の場合は災害減免法を適用した方が有利になりますが、200万円、300万円の場合は、雑損控除を適用したほうが有利になります。




相次いだ台風などによる被害を受けられた方は、まずは目の前の復旧作業を安全に行っていただき、落ち着かれたらお近くの税務署または税理士にご相談ください。
今回は、「災害減免法」と「雑損控除」を紹介しました。できることならこれらを適用することなく過ごしたいものです。
しかし日本中どこでも災害が考えられる昨今、突然自身が被害を受けることも十分考えられます。
もしそのような事態になってしまったとき、その被害からの復旧は大変なことではありますが、税金の負担を軽減できる措置を思い出していただければ、少しは助けになるのではと思います。

今回紹介していない措置などもございますので、お悩みの方はぜひお気軽にご相談ください。 清心税理士法人は四条烏丸徒歩3分、初回のご相談は無料です。

 
SHARE
シェアする
[addtoany]

ブログ一覧