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‟残念な贈与”にならないためのポイント



気がつけば2020年が始まってもうひと月が経ちますね。
遅ればせながら、本年もどうぞよろしくお願いいたします。

年末年始、帰省されたりご親族で集まる方も多かったのではないでしょうか。
ちょうどそのタイミングで話題になることの1つとして、「終活」や「相続」があると
言われています。
どの親も、できるかぎり税金や子どもへの負担はかけたくないもの。そのために対策したつもりが、誤った方法で子どもに財産を残そうとして、‟残念な贈与“になるパターンがしばしばあります。
今回はそんな‟残念な贈与“を防ぐためのポイントをご紹介します。

■贈与しても贈与したことにならない!?               



一般に子どもや孫にお金を贈与することはよくありますが、例えば、親が子ども名義の
預金口座を作り、そこに毎年お金を入金することで贈与したつもりになっている人が
多く見受けられます。
その後親が亡くなり、その相続手続きの際、相続人である子どもたちは自分たち名義の
預金があることを知り、すでに自分たちの名義になっているので悪気なく相続申告から
外してしまったとします。
不幸にして1~2年後に相続税の税務調査があり、その預金の存在が発覚すると・・・。

調査官は得意げにこう言うでしょう。
『これらの預金は単なる名義預金、すなわち、あなたたちの名義に
なっているだけで、
実質は亡くなられた親の財産になり、申告漏れです』

・・・ほとんどの場合指摘を受け、追加納税を迫られることになってしまうのです。




名義預金と判断されやすいポイント
① 贈与証書など贈与を立証する資料がない。

② 贈与税の申告をしていない。

③ 名義人である相続人たちが、生前にその口座の存在や贈与の事実を知らない。
 ⇒満期のお知らせなどが親の家に送付されていたり、婚姻して名字が変わっているのに
 その口座だけが旧姓のままだったり。

④ 預金口座の印鑑が、名義人が日常使用している生活口座や貯蓄口座の印鑑と異なる。
 ⇒もしくは、名義人と贈与者の印鑑が同じ。

⑤ 名義人がその預金を引き出した形跡がない。

⑥ 複数の名義人で、振込でなく現金入金している場合、いつも同日・同銀行支店で
 入金されている。
 ⇒名義人が複数人でお金をもらった場合、名義人の都合で入金日がずれたり、
 異なる支店で入金したりするときがあるはず。

税務署は、預金口座の名義人や印鑑まで徹底的に確認をします。
せっかく生前に子どもたちに贈与をして、財産を無税で残そうとした親心は踏みにじられてしまいます。
では、どのような対策をすればよいのでしょうか。

名義預金と判断されないための対策
イ) 贈与証書を作成する。必ず贈与者と受贈者が署名をしておく。
  ⇒子どもが幼少であれば、親が親権者として署名をする。

ロ) 現金で贈与する場合、入金は必ず名義人である子どもにさせる。
  (受贈者には必ず知らせる)
  ⇒無駄遣いさせたくなければ、預金通帳等は親が預かる。
   ただし、口座自体は受贈者の最寄りの金融機関にしておく。

ハ) 非課税限度額年110万円に拘らず、少しだけ限度を超えて贈与し、贈与税を少し払う
  ⇒証明料として割り切る。

ニ) 絶対的な条件ではないが、名義人とする子どもや孫の印鑑は、
  苗字ではなく名前の印鑑を作り口座届出印とする。
  ⇒女性であれば結婚して名字が変わっても使えることと印鑑を押し間違えなくて済む。

ホ) 預金口座は、受贈者居所近くの金融機関に預け、転居した場合は、
  都度居所近くの金融機関に移管しておく。

贈与者と受贈者でお互い財産を把握しておくと、名義預金ではなく贈与だと認めてもらいやすくなります。
離れて暮らしていたり、何年も会っていない場合はコミュニケーションも大切になりますね。



■いくらまで贈与すれば、将来の相続対策として有効?         



不動産や現預金等を多く持たれているのに、贈与税がもったいないと非課税限度枠(110万円)
以下しか贈与しない人が見受けられます。また逆に、それほど相続財産をお持ちでないのに
多額の贈与税を払って贈与されている方もおられます。前者は相続対策としては有効ではなく、
後者は慌てて贈与することもなく相続まで待って継承した方が得になります。
では、贈与金額の目安はどうすれば合理的に算出できるか。
それは贈与分岐点を算出してみること、
すなわち、
今贈与税を払っても、相続財産の額を減らしておくことで将来の相続税を節税できるライン
算出することです。
そのためには、以下①から③の順にシミュレーションが必要です。

贈与分岐点の算出方法

① 現状の相続財産評価額がどれくらいで、今、相続が発生したらどれくらいの相続税を払う
必要があるかを算出します。
【例】*Aさん70歳、財産のうち500万円を生前に長女B子さんに贈与したら、
   相続税が100万円減ることがわかりました。
   ⇒このまま相続まで待つと、500万円に対して相続税は100万円です。
   ‟限界税率“と言われる、『適用される税率のうち最も高い税率』が20%
   ということになります。(100万円÷500万円)

※相続税の税率は財産額が増えるほど階段状に増加してきます。算出方法は相続人の人数などにより異なり
複雑な仕組みですので、実際に算出をご希望の場合は清心税理士法人にご依頼ください。


② 贈与する場合の贈与税、その実効税率を算出します。
【例】*B子さんは「20歳以上の者が直径尊属から贈与を受けた場合の特例税率」で計算
   ⇒(500万円-基礎控除110万円)×15%-10万円=48.5万円
   今48.5万円の贈与税を支払って贈与すれば、将来の相続税100万円が節税できたことに
   なります。
   この場合の贈与税の実効税率は48.5万円÷500万円=9.7%です。

同じ500万円でも、20%の相続税限界税率に対し、贈与税であれば9.7%の実効税率で済みました。

③ 上記①の相続税限界税率に近い贈与税実効税率となる贈与金額を算出します。
【例】(1,150万円-110万円)×40%-190万円=226万円
   実効税率226万円÷1,150万円=19.6%
   ⇒1,150万円贈与して将来の相続税とほぼ同額(同税率)助かるわけですが、
   ここまで行くと相続税を先払いしていることになり、メリットはありません。

これを私は、贈与分岐点と呼んでいます




このようにして贈与分岐点を算出して考えると、せっかく「相続対策」のつもりが
‟残念な贈与“になってしまうことを防ぐことができます。

ちなみに、私は上記Aさんの場合なら③の贈与額半額程度をお勧めしています。
⇒1,150万円×1/2=575万円 贈与税63万円 実効税率10.9%
この辺りであれば、将来の経済変動や税制改正による影響があっても
大きく損をすることはなく効果的かと思います。

以上、これらは預金、現金のお話ですが、収益物件、高配当の自社株や不動産ならば、
そこから得られる将来収益も相続人等へ移転させることができ、
より効果を発揮させることができます。

子を思う親心を無駄にしないため、また築き上げられた財産を効率的に遺すため、
相続や贈与のご相談はぜひ清心税理士法人にお任せください。
四条烏丸徒歩3分、初回のご相談は無料です。
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